一三四・二×三一・五 軸装 (伊丹市指定文化財)
鬼貫は、貞享三年(一六八六)仕官のため江戸へ下る時、親友の鸞動から「一緒したいが病気のため行けない。だからはっきりと富士の景象を見て知らせてほしい」と頼まれた。だが帰ってみると、鸞動はすでに亡く、郷里伊丹の墨染寺の彼の塚前に額づいて報告したのがこの句である。句作は貞享だが、本点は後に嘱されて書いた作品。「仏兄」は鬼貫の別号。「にょっぽり」は俗語で「のっぽり高い」の意味。
ページの上へ
©Kakimori Bunko All Rights Reserved.