蕪村筆俳仙群会図
八七・〇×三七・〇(全書画)
三五・〇×三七・〇(画)
絹本着彩(画) 軸装
(伊丹市指定文化財)
本点は、絹本に十四人の俳仙、宗鑑・守武・長頭丸(貞徳)・貞室・梅翁(宗因)・任口・芭蕉・其角・嵐雪・支考・鬼貫・八千代・園女・宋阿(巴人)の像を描く。落款は「朝滄」、印は「丹青不知老至」。中段絹本には任口以外の十三人の代表句を記す。さらに上段に蕪村が後年になって求めに応じて書き加えた賛詞がある。それによるとこの俳仙図は「元文のむかし」すなわち蕪村二十歳代前半の作品で、現存する蕪村画の中で最も初期のもの。ただし丹後時代の作とする説もある。狩野土佐折衷様式をもつ江戸狩野の特色が強い。
蕪村(ぶ そん)は谷口氏のち与謝氏、初号宰町、庵号夜半亭ほか。摂津国毛馬生まれ、東下のち京に住む。巴人門。巴人の夜半亭を継承。「離俗」を理念に、芭蕉亡き後の俳壇を導く。一方、画においても中国絵画の技法を日本の風土に生かし、日本文人画と称すべき画法を確立して一家を成した。俳画の大成者。享保元(一七一六)〜天明三(一七八三)